01.
映画「ラスベガスをぶっつぶせ」の原作である。
カードカウンティングと呼ばれる配られていないカードを計算で割り出し、プレイヤー側が勝つ確率の高いゲームで大金をかけるやり方である。
個人のディーラーに対して、チーム戦で挑むやり方だ。
囮が初心者や酔ったフリをしてカードを消費していく、シュー(残りのカードが入ったBOX)の残りが少なくなると確率と統計でプレイヤー側が有利になる事がある。
親は17以上までカードを引かないとゲームが成立しないので、残りのカードが分かっていれば、親は3枚目で確実にドボンと22以上になって負けになる勝負が生まれる。
こういった勝つ確率が高い勝負を計算で割り出し、ここぞとタイミングを見計らって大金を賭ける。
ただ、カジノ側も最近はカメラで監視しているので簡単では無い。その盲点との勝負はスリルに満ちている。
真似したくても出来ない。
娯楽ノンフィクションとして極めて優秀な1冊。
02.
本当に頭のいい人間はアメリカにいる。この本がそれを証明している。彼らはただ頭脳明晰だけじゃない。その使い方を選ばない。MITという最高学府のエリート学生が賭博という闇社会で自分たちの頭脳を使って金儲けをする。まるで映画の脚本だ。それが実行できる社会。それがアメリカのダイナミズムだ。今年春には映画が公開される。そのタイトルは24。原作を忠実に映像化すればオーシャンズ11−13より面白い映画になるはずである。Ben
Zezrichの筆力によってエンタテイメントとしても充分楽しめる本である。
03.
ラスベガスに行ったことがある人なら分ると思いますが、人は皆ギャンブル好きですが、アメリカ人のそれは群を抜いています。 そのベガスに乗り込んで金儲けを企む、名門MIT(マサチューセッツ工科大学)の学生達の実話です。彼らは博打ではなく確率論に裏打ちされた「カードカウンティング」の技術を駆使し、ギャンブルの世界でただ一つ胴元をまかすことが理論的に可能なブラックジャックにチームを組んで臨みます。
正に追いつ追われつ、カジノを取り巻く様々な人々も登場し、その裏側の世界を一部垣間見ることも出来ます。ベガスに行きたくなること請け合い!全米でもベストセラーを記録中。
04.
ギャンブルはやってみたいけれども負けるのもわかっているのでお楽しみ程度に楽しむのが一番と思っていた私にとって、こんなにブラックジャックにのめり込んでいく人々がいて、更に計画的に"勝てる"なんてありえないと思った。この本を読んだ後に人々が思うことは二つに一つ。”私にも出来る”か”この人達ありえないほど頭がいい”。私は後者だった。とてもノンフィクションとは思えないスリリングな展開にどきどきしながら読み進んだけれども、ラストはちょっと消化不良だったので星を一つ減点。まぁ、ノンフィクションなんだから思い通りに行かないのは当たり前なんだけどね。 エンターテイメントとして読むにはなかなかいい本ですよ。
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