01.
親がいない16匹の幼いガチョウを引き取った少女。
ガチョウはその子を親と思い、両者には信頼関係が
出来上がるものの、冬のカナダの寒さでは凌げない。
そこで、アメリカの湖にガチョウを何とか「飛んで」
連れて行かせようとする物語。
最初は冷え切っていた父娘の関係も、このガチョウを
救おうという共通した気持ちから、次第に改善され、
最後には信頼関係を取り戻すことができる様子も
同時に描かれている。
02.
難しく、流暢な英語も良いのですが、物語の質というのは、どう表現するかの前に、その物語そのものの面白さ、そこにこめられた情熱みたいなものがあるのですね。
中学生程度の英語力があれば、読み切れてしまう、たった50ページの物語なのに、とても面白く、感動できました。
繊細さみたいな物は無いのかも知れないけれど、その分ストレートで、展開が速く楽しめます。
英語を読んで楽しい!と感じる体験が新鮮でした。
03.
映画「グース」のリライト版。600語レベルの語彙で11000語程度の長さの文章。しかしながら、長さや難しさは感じさせない。母親と死に別れた女の子が語る形式。そのため、文そのものはとても読みやすい。また、13歳の少女の語りである為、600語レベルの語彙は不自然さがない。それどころか、少女の心情がとてもよく表現されている。親を失った小ガチョウたちを見つけた主人公の少女エイミー。冬に南下させるために父親とともに何とかしようとする。思春期の気難しい時期の少女を中心とした、家族ドラマの様相もある。エイミーが鳥の南下の為に奮闘する様に思わず読ませられてしまう。ラストは感動。
語彙で難しいのもあったり、文法的には省略や代動詞、代不定詞などで読みにくい点があるかもしれない。映画を観ておくと読みやすくなる。2回読んだが、2回目の方が良くわかり、感動も増す。
04.
元になっている映画を先に見たが、映画よりも平易に書かれたこのretold版の方が感動できた。特に、Amyが父の恋人Susanに心を開いてゆく流れがよく描かれいる。また、語法的にも興味深い表現が多く、実用的な英語表現を学ぶ、という点からもお勧め。 なお、この話の簡単なストーリーが検定教科書(New
Crown中学3年用・三省堂)に採用されているが、まったくダメな代物になってしまっている。教科書になるとこれほどつまらないものになるのか、とまったくあきれてしまった。この教科書でこの話を読んでも、とても映画を見たり、原作を読む気にならないと思うが、中学3年生でも十分読める英語なので、教科書で読む前にぜひ夏休みにでも読んでみてほしい。
05.
母親を亡くしたエイミーはニュージーランドから 9年前に別れた父親に引き取られてカナダにやって来ました。 けれど、母親をなくした悲しみから立ち直れず 父親にも、学校にも、自分の部屋にさえなじめないでいました。 そんなある日、エイミーは16個のグースの卵を見つけるのです。 グース達を通して、少しずつエイミーの心が打ち解けていく様子が とても丁寧に、力強く描かれています。 こんなに易しい英文で、エイミーの微妙で、複雑で繊細な気持ちを 表現できるのか!と感動しました。 エイミーがもう頑張れない…そう思った時に、父親が励まし 母親の話しをして励ますシーンでは、涙があふれ出ました。 この作品は「グース」という映画のリライト版だそうなので 是非、映画も見てみたいと思いました。 挿絵は、この映画の写真が使われています。 語彙600 総語数11000 SSS難易度レベルは2です。
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