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発達障害の子どもたち (講談社現代新書 1922)

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発達障害の子どもたち (講談社現代新書 1922)
価格:¥ 756(税込)
【私達の評価】
5.0点(5点満点)
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【私達のコメント】
01. 「発達障害である」という診断後、どのように我が子を育てていくのか、また、どのような進路をとらせるべきなのか。さまざまな意見や考え方にとまどう親、また本人に、明確にかつ具体的に、幼児期、学童期、青年期、そして就労にいたるまでの過程や経過、アプローチの仕方を指し示してくださっている。学校生活をどのように送るか。どのような教育がより本人のために良いのか。
ぜひ、多くの教育関係者、そして、すべての方々に、この本を読んで理解を深めていただきたいと思います。



02.  「どうも、僕は、人と違うぞ」とつねづね思っていた。人に何か聞かれても、返事をするまでに、長い時間がかかってしまう。それを待ってくれる人はまだいい。たいがいの人は待ってはくれない。返事をしようとはするのだけれど、直ぐに答えが出ない。話しかけた人にしてみると、僕は、その人を無視したことになる。そうじゃないんだけどな、と思う。けれど、何も言えない。この本を読んでいたら、ああ、そうか、どうやら僕も発達障害、という障害を抱えているらしいぞ、と気づいた。この本に出てくる、意味も無く同じ行動を繰り返す「こだわり」行動だとか、大まかな意味を捉えることが出来ず、どうでもいいことだけに気が行ってしまう、といった障害を僕は抱えているからだ。
 この本の中で励まされたことがある。発達障害を抱えた人でも、犬には何百種類もあるのに、それが犬と言われるのは、なぜかについて調べはじめた方がある。その方はとうとう犬の鼻が犬を犬たらしめている所以であることを発見した、と言う。そうして、今では世界的な動物学者であるという。障害を抱えていたからこそ、この発見が実現できたのだ、と著者は言う。どうでもいいことだが、村上春樹さんの小説『海辺のカフカ』に出てくる、ナカタさんも、おそらくは、発達障害を抱える一人だろう。彼は、猫と話が出来る、と言う特殊な能力を与えられている。僕は、このナカタさんにも、――ひいては、村上春樹さんにも、――励まされた。僕にも、あるいは、何か出来ることがあるかもしれないぞ、と励まされたのだ。太宰治は、「畜犬談」と言う小説の中で「芸術家は、弱い者の見方であったはずなんだ。それが出発で、また、最高の目的なんだ」みたいなことを言っている。村上さんは、そういう点で、太宰の血統を引いているようだ。話が脱線してしまったが、もし周囲に僕のような人がいたら、ぜひ、この本を読んでほしい。誤解が解けて、理解が生まれるのを僕は祈っている。

03.  もちろん、著者の杉山登志郎氏のことである。直接の対面は一度もなく、50人ほど入った会場で最後部席から講演を1回聴いただけの間柄だから、純粋にこの本を読んだ後での印象である。
 たとえば、第9章の中で、「日本の学校は、とてもよくやっている。むしろやり過ぎている。」と書いた15行後で、「さて、持ち上げた後に、今度は批判を述べなくてはならない」と、教育現場の混乱ぶりを指摘する。
 また第2章では、「脱線であるが disorder のこのようなニュアンスを正しく伝えることができる日本語はないだろうか。○○障害より○○失調のほうがまだしも良いのではないだろうか。知的失調症、広汎性発達失調症、注意欠陥多動性失調症など。読者のみなさんからの良い提案を期待したい。」と、国立大学教授を辞して臨床の最前線を選択したその人間性が、随所ににじみ出ている。

 「あとがき」によれば、講談社から執筆依頼があった時には逡巡したそうだ。その後で、次のように記されている。

 「返事をペンディングにしたまま臨床に追われる毎日を送るうち、他ならぬ発達障害外来の中で、あっと思うことが重なった。つまり、外来の臨床で障害児を持つご両親と話をしていて、本当に必要なことがきちんと伝わっていないのではないかと、著しくいらだちを覚える場面があったのだ。言い換えると、この情報化時代の中で、十分に行き渡っていないしかも障害児臨床において根本的に重要な問題が残されていることに私は気づいた。」

 発達障害についてほとんど知らない方にも、専門家の方にも、一読するに十分値する好著だと思う。(なんといっても、「新書」だから廉価なのがいい!)



04. 本書の特色として、自閉症やアスペルガー症候群などの高機能広汎性発達障害について一般向けに易しく書かれている点にある。これらの機能障害は、ややもするとミステリアスな印象すら与える極めて特殊な症候群であると誤解されているが、決してそうではなく、ごく身近に、しかも近年顕著に目立つようになっている疾病なのだということが良くわかる。特に知能や社会性の発達において重要な時期である、幼児期や小学校等における特殊学級への編入を初めとする発達障害児への接し方に詳しい。乱れた生活環境をただし、子供にとって適切な刺激を与えて行くだけで(自閉症児などは刺激に対して過敏であるために、複数の刺激を与えられると混乱を招く。ずっと騒音だらけの場所にいるのと同じで、刺激の適切なふるい落しができない)、投薬などに頼らずともかなり症状が改善されるなど、目から鱗の内容も多かった。

個人的には、自閉症児が手を振る動作を見せられると、そのうちに相手にではなく、自分に向かって手を振るようになる「逆転バイバイ現象」のくだりが興味深かった。自閉症児では相手の動きを模倣する際に発火するミラーニューロンの活動低下が示唆されているが、バイバイの動きをはじめて見る際に、掌は「自分に向けられて」振られているため、ある意味でそれをそのまま自分に向って手を振るのは自然ともいえる。逆に言うと、なぜ普通の子供は「相手に向って」手を振ればいいのだ、と解釈できるようになるのか…そういった疑問や興味をかき立たせてくれた良著である。

05. こんなにすっきりとまとまって読みやすい専門書は、めったにお目にかかれないでしょう。
発達障害に関わる全ての方に読んでもらいたい本です。

実際のケースを引用しての記述がありました。
長いスパンで幼児期〜就労までを見届け、その上で学校選びをどうしていくかという問題提起をされていました。
発達障害に長く関わった筆者だから出来ることでしょう。
場違いに差別や偏見と言う言葉を持ち出して「この子なら、普通学級でも十分やっていけますよ」と軽々しく言う幼児の専門家の方々には、もう一度考え直してもらいたいですね。
その子の人生を考えた時、その時々の道をどう選択していけばいいのか。
その子どもの特性、実情に合った進路を選んでいく一つの手がかりになる本です。

発達障害を持つ親にも、とても希望を与えてくれる本でした。
杉山先生、ありがとうございます。



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